メンタルヘルスエッセイ
- 転職/離婚(1) 2009年02月25日掲載:第150話
- 家畜/野生(3) 2009年02月23日掲載:第149話
- 家畜/野生(2) 2009年02月20日掲載:第148話
- 家畜/野生(1) 2009年02月18日掲載:第147話
- 沈黙交易(3) 2009年02月16日掲載:第146話
メンタルヘルスエッセイ 第150話 転職/離婚(1)
内田樹氏いわく、
転職に際して考えるべきことは、
「いかにしてこのあと正しい決断をするか」ではなく、
「いかにしてかつて間違った決断をしたか」を考慮することである。
自分の間違いに気づかずに、新たな決断を行っても、
再び、同じ過ちを犯す可能性が非常に高い。
小さい頃から、父親の暴力的な態度が大嫌いで、
慌てて家を飛び出して、彼と一緒になったものの、
やがて、彼からのドメスティック・バイオレンスで、
精魂尽き果てて、実家の母親に連れ戻される若い女性。
(街場の現代思想:文春文庫を参照)
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第149話 家畜/野生(3)
20世紀の卓越した作家である、
アルゼンチンのボルヘスによれば、
いかなる時代でも、ほんとうに有能な人々は、
過去に生きた傑物の時代に自分を置き、
同時代の人々とは共感しないそうだ。
歴史書や哲学書、あるいは経営学の書から学ぶ人も、
アイドルや有名人に憧れて、のめり込んでゆく人も、
同時代・同世代に満たされないものを直感しながら、
共感できる相手を求めて、彷徨い続けるのであろう。
(愚か者ほど出世する:中公文庫を参照)
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第148話 家畜/野生(2)
ある神経学者の研究によれば、
野生の動物を家畜化して、その前後で脳容積を調べたところ、
家畜化された後では、約3分の1の容積減少があったと言う。
また、相当な社会的地位にある人物の脳を調べたところ、
周辺のわずかな部分を除き、脳全体がほとんど退縮していたと言う。
凶暴で頭の小さかったクロマニョン人が、
穏和で頭の大きかったネアンデルタール人を全滅させてから、
人間の脳容量は減少の一途を辿って、現在に至っていると言う。
(愚か者ほど出世する:中公文庫を参照)
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第147話 家畜/野生(1)
人間に飼い慣らされた家畜は、種の存続が確保される代償として、
本来の野生的な知性が、全く退化してしまうと言う。
家畜となる事を拒み続ける、例えばオオカミなどの動物は、
野生的な知性を保ちながらも、絶滅の危機に瀕していると言う。
上からの言い付けを守って、順調に出世を重ねる人間と、
コンプライアンスを指摘して、会社を去ってゆく人間と、
どこか、合い通じるものがあるのではないでしょうか。
(愚か者ほど出世する:中公文庫を参照)
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第146話 沈黙交易(3)
読者から、エッセイの感想を戴く事もあるが、
そんな時は、きちんと返答しながら、
少しだけ、新たな謎を散りばめておく。
「肝臓は怒りと心臓は不安と、関連があるのですよ」とか、
「肝臓は下痢と心臓は便秘と、関連があるのですよ」など。
こうしたやり取りを、繰り返せば繰り返すほど、
納得すると同時に、新たな疑問も生まれてきて、
やがて、ある時ふっと気づくと、
こうした謎解き自体が、楽しくなっているのである。
〜 writer : ろうたん 〜