メンタルヘルスエッセイ(過去)0018

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メンタルヘルスエッセイ


メンタルヘルスエッセイ 第90話  適応(3)
再びフロムによれば、いわゆる神経症(ノイローゼ)は、
人間の発達にとって有害な外的(社会的)条件に対する、
「動的」な適応の一つと考えられている。
体調不良による勤怠の乱れや、うつ病による休職の繰り返しも、
広い意味では、「適応」という概念に含まれるのである。
従って、本人には適切な休養を取らせると同時に、
併せて、有害な外的条件の究明も進める必要があろう。
(自由からの逃走:東京創元社を参照)
〜 writer : ろうたん 〜

メンタルヘルスエッセイ 第89話  適応(2)
最近は何かと言えば、適応障害あるいは適応不全が話題に上るが、
前話のエッセイでは、父親のいいつけに従わない子どもが、
すなわち、適応障害と見なされてしまう。
おしっこを漏らしてしまう子どもたち、迷子になってただ泣きじゃくる子どもたち、
連絡もせず会社を休んでしまう大人たち、うつ病で休職を繰り返す大人たち、
果たしてこれらも全て、適応障害であろうか。
〜 writer : ろうたん 〜

メンタルヘルスエッセイ 第88話  適応(1)
エーリッヒ・フロムによれば、適応には2種類あって、
一つは「静的」な適応、もう一つは「動的」な適応。
「静的」な適応とは、“ただ新しい習慣をとりいれるにすぎないような、
(行動)様式への適応であって、全体の性格構造は変化しない“。
「動的」な適応とは、“たとえば子どもが厳格でおそろしい父親のいいつけにしたがって、
おそれのあまり「よい子」となるようなばあいである“。
(自由からの逃走:東京創元社を参照)
〜 writer : ろうたん 〜

メンタルヘルスエッセイ 第87話  目的/手段(2)
服薬のみならず、禁煙や減量も同様であるが、
本来は発症リスクを軽減するための、一つの手段に過ぎないものが、
いつの間にか、その行為自体が目的となって独り歩きを始める。
禁煙や減量が進まないことへの、不平や不満が爆発して、
生活態度や過去の因縁まで、引っ張り出してしまう。
こうなると本末転倒で、何がなんだか分からなくなる。
「なぜ、生活習慣の改善が必要なのか」と言う原点を忘れてしまうと、
手段が目的にすり替わってしまい、新たな紛争の火種となるのである。
〜 writer : ろうたん 〜

メンタルヘルスエッセイ 第86話  目的/手段(1)
以前アメリカで、「妊娠中絶は殺人だから反対」と叫んだ人が、
中絶医を殺害する事件があったそうである。
「高血圧症は脳出血になり易いから、降圧剤で下げないとダメ」、
「高脂血症は脳梗塞になり易いから、薬を飲まないといけない」。
ところが最近では、高齢者に対する降圧剤の使用や、
喫煙や肥満のリスクが少ない人に対しては、投薬を控える傾向にある。
長期的な疾病発症率のデータが、一定しない事にも理由はあるが、
例えば高齢者の場合、服薬によって急激に血圧を下げると、
各臓器への血流低下によって、むしろ弊害が現われる事がある。
(やぶにらみ科学論:ちくま新書を参照)
〜 writer : ろうたん 〜

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