メンタルヘルスエッセイ
- 肥満(2) 2008年08月29日掲載:第85話
- 肥満(1) 2008年08月27日掲載:第84話
- 前適応(3) 2008年08月25日掲載:第83話
- 前適応(2) 2008年08月22日掲載:第82話
- 前適応(1) 2008年08月20日掲載:第81話
メンタルヘルスエッセイ 第85話 肥満(2)
キノコやふぐに含まれる毒素などは、被食防衛のための化学物質でもある。
できるだけ、毒素を持った動植物を回避できるように、
我々人間は、昔から知恵や工夫を重ねてきたが、
どうしても、不測の事態を完全には回避できない。
劇物や薬物の致死量が、kgあたりで換算されるように、
同じ量の毒素が体内に入った場合は、
当然ながら、体重の多い方が希釈効果が高められる。
また、蓄積された脂肪分は一種の「兵糧」でもあって、
生命危機の回避システムとしても、有効に機能しているのである。
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第84話 肥満(1)
喫煙者と同じく、何かと肩身の狭い肥満者の皆様方へ、
時には、耳寄りな情報をお届けします。
哺乳動物の基礎代謝量は、体重の4分の3乗に比例するため、
体重が増加すると、kgあたりの基礎代謝量はむしろ減少する。
食事の量は変わらないのに、運動不足や禁煙などで太った場合、
体重の増加は、燃費効率が高まって、より省エネ体質に変身し、
地球温暖化対策を、先取りしているとも考えられる。
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第83話 前適応(3)
かの有名な、アウシュビッツの強制収容所、
過酷な労働と飢餓、不潔極まる劣悪な環境、
その中で生き延びたのは、どんな人たちなのでしょう。
体が頑丈で覇気溢れる人たちは、深い絶望感に苛まれ自らの命を蔑ろに扱い、
体が弱くて従順温厚な人たちは、星や草花の麗しさに希望を見出したと言う。
夫が先に亡くなっても、妻は逆に長生きしたりするけれど、
妻が先に亡くなると、ほどなく夫が後を追うケースが多い。
急激に状況が変化した時に、その環境に適応できる者が、
本当の意味で、タフで逞しいと言えるのではなかろうか。
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第82話 前適応(2)
赤血球の中には、ヘモグロビンという蛋白質があって、
全身の細胞組織に向けた、酸素運搬を主に担当している。
熱帯地域では、異常ヘモグロビンを持つ人が多く、
健常人に比べて、酸素運搬能力は劣るけれども、
逆に、マラリアに対する抵抗力は強いのである。
ストレートで進学・昇進してきた人が、逆境や挫折にもろくて、
いじめや病弱で辛酸をなめてきた人が、逆境や挫折に強いのも、
ヘモグロビンの実例から、なるほど理解できるのである。
(逆システム学:岩波新書を参照)
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第81話 前適応(1)
元々は、魚のミネラルの保管場所が、
後々に、脊椎動物の骨となってゆく。
元々の「狙い」と後々の「効果」が、
違ってゆくプロセスを「前適応」と呼ぶ。
営業で採用した人が、経理で能力を発揮したり、
外科の経験を積んだ医師が、心療内科で独創性を顕したり、
これらも、一つの「前適応」であろう。
(人体 失敗の進化史:光文社新書を参照)
〜 writer : ろうたん 〜