メンタルヘルスエッセイ
- 皮膚感覚(2) 2008年05月14日掲載:第40話
- 皮膚感覚(1) 2008年05月12日掲載:第39話
- 内臓感覚(3) 2008年05月09日掲載:第38話
- 内臓感覚(2) 2008年05月07日掲載:第37話
- 内臓感覚(1) 2008年05月05日掲載:第36話
メンタルヘルスエッセイ 第40話 皮膚感覚(2)
皮膚感覚には触覚の他に、痛覚・圧覚・温度感覚も含まれて、
4つの感覚が統合された、いわば空間的・複合的感覚である。
対人関係で、「肌が合わない」「距離を置く」などの比喩を用いるのは、
皮膚感覚が持つ「空間性」を、象徴的に生かす表現だからである。
「肌理が細かい」「肌身離さず」では、周囲に対する配慮、物事のツボや勘所など、
皮膚感覚が持つ「複合性」が、いかんなく発揮された表現である。
昔から、人間の直感や予知能力を、霊感・ヤマ勘・第6感と呼んでいるが、
皮膚感覚や内臓感覚などの体性感覚も、大いに関与しているのであろう。
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第39話 皮膚感覚(1)
5感と言えば、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚、
触覚は体性感覚に含まれて、それ以外は特殊感覚に含まれる。
触覚が一番発達しているのが皮膚感覚で、
皮膚感覚は触覚のいわば代名詞でもある。
名前の通り、視覚・聴覚・味覚・嗅覚は、特殊な補助的存在であり、
内臓感覚や触覚などの体性感覚の方が、一般的な本来的存在である。
なぜならば、体性感覚は別名で原始感覚とも呼ばれ、
人間の生存に関わるような、生殖活動や危険回避行動の源となる。
「鳥肌が立つ」「身の毛もよだつ」と言われる由縁である。
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第38話 内臓感覚(3)
人間は、何らかのプレッシャーで体が緊張すると、
交感神経が活性化して、血圧や血糖が上昇して身構える一方で、
逆に胃や腸の働きは抑制され、消化吸収や蠕動運動が低下する。
つまり、食べ過ぎや便秘などの物理的要因が無くても、
精神的なストレス状態だけで、簡単にお腹が張ってしまう。
こうした時は、食事の時間になっても、あるいは食事に誘われても、
キッパリと断って、心地よい空腹感の到来を待つのが得策である。
自分では意識に上らない、ふだんの潜在的なストレス状態も、
胃や腸が教えてくれる、つまり胃や腸が語るのである。
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第37話 内臓感覚(2)
脳が腸へ指令を出す状態を、脳腸相関と言うならば、
腸が脳で情動を発生させる状態は、腸脳相関とも言える。
一つの証明例として、バロスタット(風船様のバッグ)を大腸の中で膨らませると、
大脳辺縁系(情動の領域)の活性化が、特殊な脳のMRI検査で確認できる。
食べ過ぎて胃がもたれる、便秘でお腹がすっきりしない、
こうした状態も、胃壁や腸壁を未消化物が刺激して、
逆に大脳で、不快感を発生させると考えれば納得がゆく。
更に一歩進んで、食べ過ぎたり便秘でもないのにお腹が張る、
こんな経験はありませんか?
〜 writer : ろうたん 〜
メンタルヘルスエッセイ 第36話 内臓感覚(1)
過敏性腸症候群、略してIBSと呼ぶ。
臨床検査では、器質的に何の問題も無いにも拘わらず、
決まって電車の中で、耐え難い腹痛と便意を催し、
甚だしい場合は、通勤恐怖症になってしまう疾患である。
近年、その増加ぶりはめざましく、
罹患率は、全人口の10〜20%とも推定される。
以前は日常生活で、不安や心配な事が積もってくると、
脳から指令が出され、腸の運動に異常をきたすと考えられていたが、
最新の研究によれば、腸壁自身の持つ過敏性が逆行性に大脳で、
情動(不安感など)を発生させるのではないか、とも言われている。
〜 writer : ろうたん 〜